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2005.02.15

自転車的

 昨年読んだ『自転車ツーキニスト』(疋田智、知恵の森文庫)も、どこかにを引いた記憶があるなあと思ってパラパラめくってみると、やっぱり引いてありました。

自分にとっての初めての自転車を思い出してみるといい。私のは17インチの子供用の青い自転車だった。休日に親父が荷台を支え、転びながら自転車の乗り方を覚えた。幼稚園の年少組の頃だったと思う。「手を離さないでよ」と言いながら、初めてチョロチョロと走り出した時は嬉しかった。気づくと支えて走ってくれているはずの親父は、遠く後方で笑っていた。

 遠く後方で笑っている親父、というイメージがなんともブンガク的で、いいなあ。僕の場合も、最初の自転車の思い出の中には父親が出てくる。たしか、中古の自転車を買ったかもらったかして、それに父親が白っぽいペンキを塗って、かえってかっこ悪くなってしまったのが、僕の最初の自転車だったと思う。
 さて、この本で著者が一番言いたいのは、自転車は「何に負担をかけるでもなく」(つまりエコロジカルで)「自分の力で、人間の移動範囲を画期的に伸ばす。実にすばらしい」技術である、ということ。そして著者が望んでいるのは、自転車くらいの便利さ、自転車くらいの快適さが一番いいのだ、ということに人々が気がつき、「自転車的な社会」が実現することだ。

今の不景気は、ひょっとしたら「撤退」するのにちょうどいいチャンスだ。便利さ追求から少し撤退してみるのだ。そしたら、本当に必要なものが見えてくる。本来の気持ちの良さが分かってくる。

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