タメ口の使い方
今朝の朝日新聞土曜版によると、新書ブームを支えているのは中高年のおじさんだということだけれど、僕も本屋に入るとまず新書の棚へ、というのが最近のパターンです。見るたびに新しいのが出ていますからね。
最近創刊した「ちくまプリマー新書」というのは若い人がターゲットのようだけど、発売予定も含めたラインナップを見ると…うーん、僕が読みたくなるような著者名・題名がずらっと並んでいるなあ。
山本容子 『絵を描いてみよう』
藤森照信 『ヒトはこうして家をつくってきた』
赤瀬川原平 『見ることを楽しもう!』
南伸坊 『眼で考える』
養老孟司 『考えるってどういうこと?』
高橋源一郎 『教科書にのらない小説』
僕が特に興味をそそられたのはこんなところです。
で、今日はこの「ちくまプリマー新書」の第一弾として出た橋本治の『ちゃんと話すための敬語の本』についてです。
筑摩書房のHPには「敬語ってむずかしいよね。でも、その歴史や成り立ちがわかれば、いつのまにか大人の言葉が身についていく。これさえ読めば、もう敬語なんかこわくない!」と紹介してあるけど、これはウソです。著者自身、この本は「正しい敬語の使い方を教える本」ではないと最初に断っているのですから。
>この本は、「敬語ってなんなんだ?」を考えて、「やっぱりないと困る。だから、みなさんでそれぞれ、正しい敬語の使いかたを考えてください」と言う本なのです。
学生が面接試験の言葉遣いを勉強しようとこの本を買ったら、ダマされたと後悔すること、間違いありません。
さて、僕にとっての収穫は、次の部分です。「タメ口」というのが、「よく知ってる友だち」に対して使う言葉であることはみんな知っていることですが、著者はさらに次のように言っています。
>注意しなければならないのは、タメ口には、「もうひとつの使い方がある」ということです。それは、「ひとりごと」です。相手のいないひとりごとには、敬語なんか必要がありません。だから、だから、タメ口は「ひとりごとの言葉」でもあります。…あなたにはそのつもりがなくて、ちゃんと人に話をしているつもりでも、あなたが敬語を知らなくて、タメ口しか使えなかったら、あなたは知らないあいだに、「他人を無視してひとりごとを言っているだけの人」になってしまうのです。
だから、大人になるには正しい敬語(特に丁寧語)を使えたほうがいい、と著者は言っているわけですが、ここで僕は今の自分の関心に引き付けて、つぎのようなことを考えてしまいました。
つまり、このblogの文体をどうするのか、ということです。文末を「だ。である。」にするのか、「です。ます。」にするのかは、正直言って迷ったところです。丁寧語を使うか使わないかというのは、丁寧な言い方か、尊大な言い方かというだけの違いではなく、相手を想定したものかそうでないかという違いでもあるわけなんですね。
blogには「つぶやき」「ひとりごと」と題したものが多いけれど、やはり読み手を想定して「です。ます。」体で書かれたものが実は多いのではないでしょうか。
それにしても、こういう新書、おじさんばかりでなく若い人も読むといいのになあ。
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コメント
トラックバックをたどっていくと、この本に関して思いがけないほどたくさんの記事があって、びっくり。地味な本かと思っていたけれど、橋本治の人気はすごいですね。
でも、批判的な文章もいくつかありました。
実は、僕にも読んでいて納得できないと感じた点がいくつかあったのです。
たとえばこの本では、目の前にいる相手に対する敬語と、ここにはいない話題の人に対する敬語との区別が明確ではありません。
また、関西系のお笑いタレントの「自分、今なに言うたん?」という言い方についての説明も、どうも僕には腑に落ちないのです。
投稿: mf | 2005.05.28 23:20