「haiku」は「俳句」?
勤め帰りにときどき寄る古本屋で、「俳句からhaikuへ」という帯のついた本(『明治大学公開文化講座ⅩⅤ 越境する感性』風間書房)を見つけました。四本の講演記録を収めた本で、その中の一つに興味があったので、100円を投資しました。
俳句は「haiku」として広く海外でも愛好されていると言われますが、マーク・ピーターセンは、いくつかの例をあげながら英詩の中に「俳句的感性」を示す作品があることを認めつつも、次のように語っています。
>基本的には、日本語の俳句の魅力は日本語を母国語とする人間にしか十分に鑑賞できないと思います。それに、私の見方では、haikuは、日本語の俳句のこころや様式とはずいぶん違います。(「外から見た日本的感性―俳句からhaikuへ―」)
英訳されたhaikuを読んでも、外国人のhaikuを読んでも、これは「俳句」とは違うなあと感じていましたが、日本語(日本文化)にも英語(英米文化)にも通じている人でないと、「ずいぶん違う」とまでは言い切れないでしょう。外国人の俳句受容について書いた本に『海を越えた俳句』(佐藤和夫著)というのがあり、10年以上も前ですが面白く読んだ記憶があります。その中に次のような一節があって、ちょっと気になっています。
>外国人のハイクの世界は、今日なお、江戸時代の俳諧によって形成されている。彼らが翻訳によって読む俳句のほとんどは、依然として芭蕉、蕪村、一茶など江戸期の俳人、そしてせいぜい子規の作品である。いわば彼らはタイム・カプセルのなかに住んでいる。
マーク・ピーターセンも次のように言っています。
>日本の俳句を紹介するパターンとして、まずはTHE FOUR GREAT MASTERSを基本として紹介します。この四人の大俳人は、芭蕉、蕪村、一茶、子規です。
かつて外国人が日本に対して「サムライ」とか「ゲイシャ」というイメージを持っていた(今でも持っている?)のと似たようなことが、haikuに関しても起きているのでしょうか。芭蕉や子規が絶対に作らなかった、たとえば
>冷房に海の匂ひのまま眠る 仙田洋子
のような句(最近見つけた、僕の大好きな句です)は、どのように外国語に翻訳され、どのように読まれるのか、とても興味があるところです。
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コメント
読んで気になった詩や、見た芝居の感想や演劇に関することなどを書いていこうと思っています。
投稿: tomtom | 2005.05.09 00:27
最近、すっかり俳句はご無沙汰していますが
「冷房に海の匂ひのまま眠る」の句はいいですね。
ps:
文字化けせずに、
何故か、コメントできました!
投稿: och | 2005.05.12 19:00
ochさん、コメントありがとうございます。
文字化け問題、解決してよかった!
俳句は角川の『俳句』への投句だけはなんとか続けています。いつも締切り当日になって慌てて作っているくらいですから、なかなか上達はしません。
(そういえば、ochさんの句も昨年の8月号に入選していたんですよね!)
投稿: mf | 2005.05.12 21:40
mfさん、こんにちは
俳句が入選していたとは全く知りませんでした!
図書館にいって見てみよう。
なんだかうれしいですね!
投稿: och | 2005.05.13 13:39
「冷房に海の匂ひのまま眠る=仙田洋子のような句は、どのように外国語に翻訳され、読まれるのか」、とのご興味ですが、拙著Rise, Ye Sea Slugs!(一茶句<浮け海鼠>に因む)の中で、そうした現代句も充分英訳されています。御気にめされるかどうか知りませんが。そして、芭蕉蕪村一茶のみならず、無名人の古句も一杯入っています。同じことは最近出したCherry Blossom Epiphanyについて言える。ただし、花の古句の数がすごいから三千句の中で現代句の数が海鼠の場合よりは少なくなります。いずれも和文(句のみ)も解説もあります。書評でもよろしくお願いします。(ps外国の句についてSusumu Takiguchiの感想がなかなかいいと思います。)
投稿: 敬愚 | 2006.11.15 13:56
敬愚さま
コメントありがとうございます。
海鼠の俳句がたくさんあることは知りませんでした。HPは時間があるときにまたゆっくり見てみたいと思います。
投稿: mf | 2006.11.15 23:11