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2005.06.01

女子高生が線を引いて読んだところ

 …男は防波堤の突端で、高校をさぼってイワシを釣っている、友人の娘の千絵ちゃんを見つける。「ねえ、おじさん、こんなところよりもずっといい場所がありますよ。」と誘われるままに、男は海に臨む洞窟に入り込む。

>中年男 草餅、食うよ。たっぷりと歩いたんで、腹減っちゃったよ。
 女子高生 わたし、火をおこしますからね。それと、はい、飲み物。缶のお茶ですけど。
 中年男 なに、そのバッグ、いろんなものが入ってるんだね。
 女子高生 今朝は家を出るときから学校へは行かないって決めていましたから、いろんなものを入れてきました。百円ライター、カットバン、スポーツドリンク、食パン……、あっ、一応教科書もありますよ、現代文の。
 中年男 どれ、現代文てのを見せてくれる。息子たちの教科書なんて見たことなかったし、おじさんたちのころは現代国語っていってたよな。
 女子高生 はい、どうぞ。
 中年男 なるほどなあ、黒崎政男のエッセイ、和辻哲郎の評論、金子光晴の詩、村上春樹の小説まであるんだなあ。……この最後の方にあるホーソンの「大望の客」のページはすごいね。ピンクのマーカーがびっしり塗られてるね。
 女子高生 その短篇、とても好きなんです。わたし、春休みに新しい教科書を買ったとき、現代文だけはすぐに全部読んでしまうんです。それで、この教科書のなかではそのホーソンの「大望の客」がいちばんいいなって思ったんですけど、…
 

 興味をそそられた中年男性のために、書名をお教えしましょう。
 『海へ』南木佳士著。文春文庫から出ています。最近現代文の教科書で「ウサギ」という短篇を読んで、南木佳士という作家に興味を持つようになりました。現代文の教科書にピンクのマーカーでびっしり線を引く女子高生にも興味があるけど…

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コメント

「サザンビーチ」にも線を引いて読んで下さい。働き過ぎに注意!

投稿: cozy.s | 2005.08.19 11:08

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