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2006年3月

2006.03.30

二つの「愛国心」

 前回取り上げた『やっぱり京都人だけが知っている』の「あとがき」に引用されている次の一節が気になっています。ちょっと孫引きさせてもらいます。

「愛国心」という言葉で私が何を意味しているかといえば、それは世界中でもっともよいものと考えるけれども、他人に強制したいとは思わないような、ある特定の場所や特定の生活のしかたに対する強い愛情である。愛国心は、その性質上、軍事的にも文化的にも、守勢のものなのだ。―『ライオンと一角獣』ジョージ・オーウェル

 ここで言っている「愛国心」とは、次の「パトリオティズム」の方にあたるでしょう。

英語で愛国心にあたるものに、ナショナリズムとパトリオティズムがあるが、二つはまったく異なる。ナショナリズムとは通常、他国を押しのけてでも自国の国益を追求する姿勢である。私はこれを国益主義と表現する。
 パトリオティズムの方は、祖国の文化、伝統、歴史、自然などに誇りをもち、またそれらをこよなく愛する精神である。私はこれを祖国愛と表現する。家族愛、郷土愛の延長にあるものである。

 これは最近読んだ『祖国とは国語』(藤原正彦著)からの引用ですが、著者はさらに我が国でこのナショナリズムとパトリオティズムの二つを「愛国心」というひとつの言葉でくくってきたことが今日の「不幸」の始まりだったと言っています。
 そもそも「日本という国」と言ったり、「お国なまり」「お国自慢」と言ったり、つまりは「国家」も「故郷」も「田舎」も同じ「くに」なのですから、「愛国心」の意味に幅が生じるのは当然です。
 憲法、教育基本法をめぐる議論の中で、この言葉に対する解釈の食違いがさらなる「不幸」の始まりにならなければいいが、と思います。しかし、どう解釈されるにしろ、これが「強制」されるべきものでないことだけは確かです。

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2006.03.22

こってり系

 先日京都に行って以来、本屋に入ってもつい京都関係の本に目が行ってしまいます。
 『やっぱり京都人だけが知っている』(入江敦彦著)という本に、「ラーメン~こってり進化論」という章があるのを見つけて、さっそく買って読んでみました。
 実は京都に行く前に、京都にはラーメン屋が多く、しかも京都のラーメンは基本的になぜかこってり味であるということを知り、こってり系ラーメンが大好きな僕としては、ぜひとも京都の代表的なラーメン屋に入りたいと思っていたのでした。
 僕が入ったのは、ガイドブックによると人気店のひとつであるという京都駅近くの「新福菜館」。
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 ご覧のとおり、いかにも濃厚な味を想像させる黒々としたスープは、京都という街のイメージとはかけ離れています。『やっぱり京都人だけが知っている』にも「京都人という人種の認識を根本的に疑ってしまいそうになる黒いスープの『新福菜館』」という記載がありますが、関西の人間には東京の蕎麦の汁はドロドロと濃すぎて食べられない、というわりに、このようにラーメンの汁が濃いのは面白い現象です。「京都は関西で唯一のラーメン文化圏の都市」ということなので、味覚に関しては関西の中でも独自の志向性を持っているということなのかもしれません。また、「一人あたりの肉の消費量も全国一」という京都らしく、チャーシューの量も多めです。
 「コッテリ濃厚」であるか、「ボリューム・アップ」かのいづれかによって、京都の日常の食はその文化を生み続けるエネルギーとなり得ているという著者の考察がどこまで当たっているかはわかりませんが、面白い考え方だとは思います。
 さてこのラーメン、実際食べてみると、油分が少ないのか、意外とさっぱりした味に感じました。それだけ普段からこってり味のラーメンに慣れっこになってしまっているということかも知れませんが…

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2006.03.13

色彩の世界に遊ぶ

  11日(土曜日)、東京都庭園美術館で開催中の「宇治山哲平展」を観て来ました。
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 つい先日宇治の平等院を見て、極彩色の文様で埋め尽くされた千年前の鳳凰堂に思いを馳せてきたばかりの僕には、カラフルな幾何学模様を曼陀羅のように並べた宇治山哲平の作品が、遠い古代の美術作品と響きあっているように感じられ、一見ポップで時にユーモラスな作品が深い宗教性さえ湛えているように思われてくるのでした。実際、宇治山哲平は仏教美術や古代エジプト美術に憧れ、奈良にアトリエを構えてもいます。
 しかし、展示された作品全体を通して見たとき、どうしてもそこに一人の人間像が浮かび上がってしまうことが、彼の作品の近代性を証立てているとも言えそうです。「絵というものは、色と形で自分のすべてを語るものである」という彼の言葉は、彼の作品のすべてをも語っているのです。
 アール・デコ様式の内装の施された建物と作品とが絶妙な調和を見せていたことも、付け加えておきたいと思います。

 翌日曜日は近所の公園の梅を見てきました。急に暖かくなったせいか、時期をずらして咲く梅が、今年はいっぺんに咲いたようで、見事な眺めでした。
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 色彩の織りなす美の世界に遊んだ週末の二日間でした。

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2006.03.06

京都から帰って来ました。

 慣れない京都を、自転車を乗り回したり、歩き回ったり、たっぷりと楽しんできました。
 初日は京都駅近くで自転車を借り、「銀閣寺」まで。いきなり霙に降られて寒かったけれど、LOUIS GARNEAUの自転車、なかなか快適でした。車輪が小さいのは街中を乗るのに向いていると思います。
155202 「哲学の道」にて(寒かった~)。ここはまた別の季節にゆっくり歩いてみたいところ。

 二日目、目的の「仁和寺」へ向かう途中、「山猫軒」という店で昼食(この店、お勧めです)。本棚の近くの席でスパゲティとケーキセットをいただきながら見た『LIVING WITH BOOKS』という写真集は面白かったですよ。
134911 右上にあるのが『LIVING WITH BOOKS』。我が家のリビングにもセンスよく本を並べて、落ち着いて本が読める空間にしたいものです。

145546 『徒然草』によく登場する「仁和寺」を一度見ておきたいと思っていたのです。南向きの緩い斜面に建った、明るくて広々としたお寺でした。

 三日目は『源氏物語』ゆかりの宇治へ。「平等院」とその周辺をゆっくり散策してきました。昼食の茶そば、美味でした。
125618 宇治川。こんなに流れの豊かな川だとは思っていませんでした。川の向こう側が平等院。「源氏物語ミュージアム」にも入ってしっかり「お勉強」してきましたよ。

 宇治から京都に戻って、帰りの夜行バスの時間まで、喫茶店、本屋、ラーメン屋、居酒屋という順番で暇をつぶしました。新幹線より安いからバスにしたのに、結局同じくらいの出費になってしまったかも。
 「大垣書店(烏丸三条店)」は、広いのに落ち着いた雰囲気で、静かな音楽が心地よい、最高の本屋でした。こんなのが我が家の近くにもあればいいのに。『藤森照信の特選美術館三昧』という本が欲しくなってしまいましたが、荷物が重くなるので今回は買うのは見送りました。

182139 話によく出てくる「イノダコーヒー(本店)」にも入ってみました。聞いていたとおり、僕には濃すぎる味で、最後まで飲みきるのがやっとでした。でも、一人で本を読みながら長い時間粘るにはちょうどいいかも知れません。

181732 どこの本屋にも京都関係の本がたくさん置いてありました。そんなところにも、京都の歴史の重みと奥深さを感じたのでした。

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2006.03.03

京都へ!

 京都へ、行って来ます!

 ザックの中には『京都「五七五」あるき』(池本健一著)を入れました。(ちょっと重いけど…)

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