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ヤマボウシ

ヤマボウシ

 「ヤマボウシが咲きだすと、夏らしい日がやってくる。山の緑は青くなり、あわてものの蝉も鳴きだす。でもまだ朝晩は涼しい。その山の涼しさに、純白のヤマボウシの花ほどふさわしいものはない。
 枝葉の上にまるで雪が降りつもったように、ヤマボウシの花は群れあって咲きこぼれるのである。その風情にひかれて、わたしは庭に数本のヤマボウシを植えた。秋、実を拾って苗も育てた。苗木が三尺ほどに伸びると、また庭に植えた。それがもう、わたしよりもうんと背が高くなっている。
 庭のあちこちで咲くヤマボウシは、サクラのようにパッと咲いてパッと散らない。「まだ咲いているのか」と思うほど、咲きつづけるのだ。わたしはヤマボウシの方がうんと好きになっている。」(榊莫山『自家菜園の愉しみ』)

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